
一年とちょっと前、
挙動不審だけど眼だけがはっきりすっきり据わっている男の子がおのまちに来た。
各作家の8寸皿を主に見ている。
持ってみて重さを確認したり光にかざしたり裏返したりしている。
連れの子にたまに相談しているが自分の意見を伝えているだけみたいだった
そして次に来た時には
半ば強引に焼いて来たという武骨な可愛げのないゴロッとした固いパンを
「食べてください」という。
その時もやっぱり目はきらきらとしていたがやはりスワッテいた。
香しい焼きたてのパンの中身のモチモチになんとも、、、フワフワモチモチ!!
「どんなふうにしてうちで発表しようか~~!」で始まった。
なかむらたかしのパンとおのまちあるふぁのはじまりでした。
それから一年と2か月。
明日4月23日に自分の城をスタートさせます。
今日22日、自分の基地の準備を終えてからおのまちへ来てくれて
モゾモゾと落ち着かない様子で青木良太の器を見ながらあたりまえみたいに店内にいる。
「早く帰って明日の仕込みしないと大変なのに」とこちらはハラハラするが
ぽつりぽつりとこれまでのこと、そして自分の基地がすごい作家さんの作品やこの一年で出会った
素敵な人たちの思いが形になったもので溢れていることを口に出して感謝している。
なんていい子なんだろう、と思った。
そうそういない。
自分の城は自分が作ったんだ!という事実は事実だけど
一人で作るのには一人じゃなかったということを覚えていて口にだして態度で表せる人はそういない。
きらきらした目はずっとよりパワーアップして続いてほしいと願う。