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22.01.2014 

「おはよう!」と言う最後の日に。

館内を見渡して「おはよう!」って言っていました。 それが今日はここでの最後の日。 たくさんのことがありすぎて、床の割れ目を見てもそれぞれの 場面が現れます。 ここで出会った人たちにここの道具や家具たちが嫁いでいきました。 ほんとにありがたいことです。 使い込んだモノでもその「価値」を買ってくださる方への感謝。 ある人は、「私の店にこの子たちが落ち着いたらあなたのサインをしてください」と仰る。 大切に使ったり見せてきたことを言葉にしなくても伝わっている嬉しさ。 もうずいぶん前、美術館で世界一周・・・とかいう展覧会で一番最初の展示が 「流木」だった。世界中の海を渡って来た一本の流木が人の手が加わり魔法がかけられ 値段のつけられないくらいの「価値あるモノ」になる。その前で人々は夢をみる。 一本の流れに任せてきた木がとてつもない大きな役割を果たす。 「タダの拾って来た木」ではない。見つけ、手をかけ、知恵を吹き込まれているものは 値段のつけようのない価値のあるものだ。 北海道の海岸でとても大きな美しい貝殻を見つけ和歌山に持って帰ってきたことがあった。 お客さんに欲しいと言われ、拾ってきたものだから、と思い差し上げた。 そのことを直さんに言ったら叱られた。 「どうしてそんな価値ある貝をタダであげたんだ!見つけたんだろう?!どこにもないものを」と。 そして「俺だったら10万円なら売ってやってもいい!と、言うよ」と締めくくった。 ・・いろんなことが思い出される。 感じさせてもらったこと、たくさんの人に助けていただいたこと 悔しかったこと、開いた口が塞がらないほどびっくりしたこと、、 そして何より一杯愛情をいただけたことに感謝してもしきれません。 ここでの数年間、ほんとにありがとうございました。 また近々、皆様にお会いできる日を楽しみにしています。