
白洲正子さんの自伝書の中で
迷いの連続の中の毎日に励まされる文があった。
「・・・と言っても突然そうなったわけではない。それまではさまざまの浮世のいざこざがあった。
私の知らない借金が出てきたり・・大量の返品があったり、嫌なことばかり続いた。そんなつまらないことは
省くとして、最初のうちはどのお客様にも喜ばれるようなものを売ることに集中していたが、それは八方美人な
考え方で、小さな店ではできることではない。実際にも私が好きなものから先に売れていくことに気が付いた。
そこで少々偏っていても自分の好みに合ったものだけを選ぶことにして・・数字のことも全く分からないくせに
よくできると笑われたが自分自身にもわからないことが他人に分かるはずもない。しいて言えば
”ひたすら美しいものがつくりたい”だけで・・・」 というくだり。
基本的な言葉だけに 今 私の心に響く。