29.03.2019
29.03.2019
赤木明登 うつわの声
能登一の椀 黒
先日 ご来廊くださった和尚さまは
黒の椀をとても気に入ってくださいます。
ひとつひとつ両手で包み込んで目を細めてうつわの声を聴いています。
わたしは和尚さまのそんなお姿やお喋りされることにこころが静かになります。
そんな方でも「耳を澄まし相手の気持ちと同じになる感性を養いたい。」と仰います。
それは至難の業のように思われます、と。
聞くということ
それはなにもしないということではなく
常に心を働かせて相手の心と同体になること。
和尚さまの言うことは今の私のこころに響きます。
微力ながら日々、各分野のものつくりの方の展覧会をさせていただくとき
「これでいいんだろうか」の不安だらけ。
静かに耳を澄ませてすこしでも同体になることで
お仕事をさせていただいている意味があるように思いました
樹木希林さん主演の映画「あん」で
ねぇー 店長さん
私たちはこの世を見るために、聞くために生まれて来た
だとすれば、何かになれなくても、私たちは、私たちには生きる意味があるのよ
と、優しく語りかけます。
付かず離れず日々素敵な方々に見て感じて守っていただいていることに
あらためて感謝です