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04.01.2021 

「なごり」コレクション WAKAYAMA

「なごり」とは 終わりゆくものを最後まで愛くしみ、心を寄せていくこと。 もともとは浜辺に残された貝殻などを指す「波残り」(なみのこり)が語源です。 くり返し寄せては引いていく波が、そっと残していくもの。 それはしだいに愛惜や追憶の心のありようへと変わっていきました。 日本の文学、工芸、芸能は「なごり」を特に大切にしてきたのです。 そして四季のなかで、「なごり」の季語といえば「秋」。 冬枯れる直前の最後の輝きを放つ季節。木の葉は黄や赤に紅葉し、やがてはかなく末枯れていきます。 そんな移ろいやまず、流れ去る時間に、名付けようのない思いを抱くことがあるかもしれません。 古来それを日本では「もののあはれ」とよんできました。「日本の眼」に通奏低音のように響くのは、その感受性なのでしょう。 日本らしい秋や冬の光景や色合いを、テキスタイルに落とし込んだ「なごり」コレクション。 春分の日のショーは名残りの雪がふりしきる中、新しい季節の初花であり、日本人の心の花でもある「桜」をかざして、自然への感謝と祈りを捧げるグランドフィナーレとなりました。                  matohu デザイナー  堀畑裕之 関口真希子 日本の素晴らしい季節の移り変わりに 人間もその一部だと常に意識し 厳しい時も少しでも光が指す方へ気持ちを向けて 進みたいと思います。 この展示会がほんのわずかでもその光の一部となりますように。。      onomachi α yoko.