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09.08.2012 

「ずっと気になっていた」から

その人は、数か月前からこの真っ白い筒状の器のことが気になっていました。  きっと一目ぼれ状態だったのだと思いますが  丁寧に生きている人なので、決定するとき 軽はずみではなく、一晩寝かせます。  そしてやっぱり今の生活にこれが必要だ!と、心動かなくなったその時はじめて自分のものとなります。  きっと自分の一部として毎日共にされるのでしょう。  繊細で見てるだけで壊れそうな・・決して“濁らない”白い器。  その人は、美術家・妻木良三さん。  去年9月Onomachi αで地元和歌山での初めての個展「ZONE」をしてくださった  浄土真宗の僧侶でもある、幅広い感性が魅力的な方。  彼はご自分のブログであらためておっしゃっています。  「・・丁寧に生活できそうな気がします。   ・・描く前の白い世界がそのままの薄く硬質な器になったような・」  毎日の起床時と就寝前 お水を飲まれるとき、使っておられるそうです。  大谷哲也さんのコップで妻木良三さんが白湯を口にされるとき・・  本堂に響き渡る妻木さんの美声はより一層魅力的な音域となることでしょう。  それにしても私は無謀だ、とつくづく思う。 画家さんのことを語る時にわざわざ鉛筆で絵みたいなものを描こうとする大胆さ。  でも、、いいんだ! 皆川さんも言っているから。 「絵は、上手か下手かなんて関係ない。そこに感じたままをぶつければいい」って。 さて今頃妻木さんは気になっていたものをどんなふうに愛でておられるのでしょうか。