13.06.2011
簡単には開かない
正午に開くはずの扉がまだビクともしていなかった。
中も外もしーんとしているから、これでいいんだと納得させられてしまう。
必要なことだけが側面の壁に描いてある。
そんな建物の中に居た、
「妻木良三」氏。
皮と骨と筋肉や体内のものをありとあらゆる方向から
洗浄して、そのあとに残った一線一線を織っていった、そんな感じ。
他の作家作品はレントゲンヴェルケに鎮座していたりすんなりと壁に
素晴らしく掛けられていた。
でも、彼のそれはひとり階段横の一空間おいた壁にスーッと居た。
ものすごく苦しんで到達したのに
そんなことはこれっぽちもなかったと、プライドにかけて言っている、
そんなにも思えた。
鉛筆の芯の痕跡をたどっていくと
妻木さんの少年時代からの映像すら浮かんできそうになった。
今、ドイツ・ミュンフェンで開催中の展覧会に出展している
その作品のすべてを見せていただく予定です。
今秋、ここ小野町で。
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